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前置き (英語)

Our second guest for Talks with movie directors is Matsumura Shingo, the director of Striking Out in Love (2013) and Love and Goodbye And Hawaii (2016) – our review of this narrative can be found here. We sincerely want to express our thanks to him for answering our questions and to provide an insight in his work, his ideas and his motivations. The English translation of this interview (会見) will be published in the coming weeks. On a side note: I also want to thank my wonderful girlfriend for translating my questions.

インタビュー (会見)

Psycho-cinematography: 映画監督になった経緯を教えてください。

f_romance_dMatsumura Shingo: 19才の時、私は大学には進まず、勤めた会社もすぐにやめてしまった。 私は、未来に対して、夢も希望も持っていなかった。 私はそんな自分が嫌いで、自分を変えたいと思った。 そんな時、ある雑誌に「映画の作り方」という特集があった。それを読んだ私は、「自分にも映画が作れる」と思った。 今考えると、なぜ根拠もなくそう思ったか、不思議だ。 そして、映画をつくれば、今の自分を変えられると思った。 私は、小さな映画のスクールに通った。そして8mmカメラの機材を揃えて、短編映画を撮り始めた。完成したら、次の作品の準備をはじめて、また撮った。そして気がついたら、16年経っていた。 はじめたころと変わらない気持ちで、今も映画を撮り続けている。

P-C: 私が正しければ、あなたの最初の作品「ロマンスロード」と、今作「恋とさよならとハワイ」の間には5年の期間がありますよね?それは意図的に空けたものですか?

M.S: 意図的ではありません。 私は可能であれば、一年に一つは新作映画をつくりたいと思っています。 でも、映画を完成させるのは簡単ではありません。 自分の努力や実力以外に、様々なタイミングが重要となります。前作から「恋とさよならとハワイ」をつくるまでの間に、いくつかの企画が途中でダメになりました。その期間はとても苦しかったです。 でも、映画を撮れていない時間も、全て無駄ではなかったと、今は思ってます

P-C: 上記のどちらの映画も「恋愛」がテーマですよね。監督は恋愛映画を好んでつくられますか?もしそうであればなぜそのテーマを好むのですか?

M.S: 私が映画で好むテーマは、「人生は自分の思いどおりにはいかない。けれど、希望を見つけることは不可能ではない」という事です。 私は、自分の人生に懸命に立ち向かう人間に心をひかれます。 それが他人から見て、どれほどかっこ悪くても、美しいと感じます。 私は人間のそのような姿を映画で描きたいと思っています。 長編2作が恋愛映画になったのは、たまたまで、恋愛映画を撮ることが重要なのではありません。

P-C: インディーズ(自主)映画について。「恋とさよならとハワイ」の製作は簡単なものではなかったと思います。自主映画製作の過程で、どのような難しさや障害がありましたか?

M.S: 低予算なので、人や場所など思い通りにならないことは、たくさんあります。 ですが、予算の大きなメジャー映画がすべて思い通りにいくわけではないので、そこは苦労だと思わず、やれることのなかでベストをつくします。 ただ、映画を完成させた後、観客に観てもらうことにとても苦労しました。 日本のインディペンデント映画は、ほとんど映画館で上映してもらえません

P-C: また、インディーズ映画製作を通して得られるもの・醍醐味は何ですか?

M.S: 商業主義のお金が儲かる企画ではなく、多様な物語を描けるところが魅力。 また、まだ有名ではないが魅力的な役者たちと、映画作りができることも嬉しい。

P-C: インディーズ映画のプラス面・マイナス面について話してきましたが、現在の日本の映画産業に対する、監督の率直な意見を教えてください。

M.S: 現在、日本映画が置かれている状況は、産業面でも、文化面でも、とてもきびしいものだと思います。考えられる悲惨な未来を書きつらねても暗い気持ちになるだけなのでやめておきます^_^ 私は、このような状況になった時に、あらためて、教育の大切さを感じます。 国や民間企業がお金をだして、映画作家、技術者、劇場運営、観客を育てなければいけません。 日本映画は、まだかろうじて、産業面でも文化面でも世界の中でも上位にあると思っています。それほどの分野に高度な教育をする機関がほとんどないというのは、異常なことだと思います。

P-C: まつむら監督は、どの監督方からインスピレーション(刺激)を受けましたか / 受けていますか?

M.S: 影響を受けた監督は多すぎて、書ききれません。ただ、アキ・カウリスマキ〔フィンランド〕、ホン・サンス〔韓国〕、井口奈己〔日本〕の映画を観ると「自分も映画が撮りたい!」という気持ちになります

P-C: 私は、リンコとイサムの会話がしばしば漫才のように感じました。これらのシーンは漫才からインスピレーション・アイデアを得たものですか?

M.S: 漫才は好きですが、脚本を書く時に参考にしてはいません。 普段、私の周りで使われている会話を参考にしました。

P-C: 映画のコミディの根元はなんですか。

M.S: 私の映画のコメディ要素は、特別に面白い出来事が起きることではなく、日常生活の中で、ちょっとした行き違いや、勘違いから起こる感情の揺れの部分にあると思います。 本人たちにとっては深刻なことも、視点の違う第三者にとってはユーモラスに感じてしまうことがあります。 私はそこに人間関係の面白さを感じます。 なので、日常生活の些細な出来事を、色々な視点から観察するように心がけています。 それが私の映画のコメディの根本だと思います。

P-C: 心理分析学の基本の考えでは、コミュニケーションにおいて、男女間には解決できない誤解・考え方の違いがあると言われています。私はそのことが、「恋とさよならとハワイ」の中で見事に描かれていると感じました。監督はこのことについてどう思いますか?

M.S: 男女間だけでなく、違う人間であるいじょう、誤解、考え方の違いは必ずうまれます。 それ自体は当たり前のことです。大切なのは、話しあうこと。そして、考えること。 相手との距離が近くなったり、もっと離れてしまったり、関係は思い通りにはいきませんが、話しあうこと、考えることを、怠けてはいけないと思います。

P-C: 監督の映画はどれも恋愛に関したものですが、現代の日本の恋愛の仕方・形についてどう思いますか?

M.S: 日本の恋愛事情、というより、他人の恋愛事情に詳しくないですし、興味があるわけではありません。 国籍に関係なく、100人いたら、100通りの恋愛観があるのだと思います。 ぼく自身は、恋愛ほど面倒くさいものはないと思ってますが、恋愛ほど美しいものもないと思っています。

P-C:  私は、今回の作品が「ハワイ」というイメージを用いることで、本当の幸せな恋愛関係はフィクションである、ということを表現したかったのだと感じました。このことについて監督の考えをお聞かせください。

M.S: 「ハワイ」のイメージについては、映画を観た人の中で、いろいろな感想があります。 私が詳しく答えてしまうと、それが正解なんだと思われてしまいます。それは私にとって良いことではありません。映画は正解をだすために観るのではないので、観た人が自由に受け取ってほしいと思っています。 ただ日本人にとってハワイは、地上の楽園、最高の場所というイメージがあります。実際に行ってみると、イメージが全て正しいわけではないということを、学ぶと思います。

P-C: 私は自分のレビュー内で、このような作品がもっとほしい!と述べました。監督はもうすでに次の作品をつくる予定がありますか?もしそうであれば、再び恋愛をテーマにしたものですか?

M.S: 今、脚本にしようと考えている新しい企画が何個かあります。 その中には、恋愛コメディ映画もありますし、それとは全然違ってもっとシリアスなドラマもあります。 あまり自分の作風を決めつけずに、興味がある企画に挑戦していけたらと思ってます。

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